おへんじハイッ

鹿島大神宮では、時々不思議なことが起こります

今日はこんなお話  

その1 

梅雨入りしたけれど、天気予報では今日の午前中は降らない予定。 

ありがたいことに朝から薄陽が差しています。 

今日は久しぶりに初宮参りがあるのです。

 ここのところ、降ったり止んだり、変わりやすいお天気が続いていて、気がもめる毎日でした。 


朝早くからお宮を開けて、隅々まで掃き清め、畳も拭き終えました。

つぎに、庭箒を取り上げて、石畳をきれいに掃き終えたところに、年配のご夫婦が石段を登っていらっしゃいました。

奥さまの方はなにか大きなバッグを提げて。


 ご挨拶だけして邪魔にならないように脇の方にいると、奥さまが取り出されたのは、のし紙がかかった清酒の箱。 

「お供えですか?」

 思わず声をかけました。

 「ええ、今日はお礼参りにうかがいました」

 「それなら、せっかくですからご神前にお供えしましょう。どうぞ拝殿にあがってご参拝下さい」

 お預かりした清酒ののし紙には、多分奥さまのでしょうか、女性の名前がありました。 


お参りを終えて、

 「ありがとうございました」

 ご主人が先に降りていかれます。

 「今日は開いていてよかった。前に来たときには閉まっていたので」 

奥さまがほほえんで石段を降りていかれました。 


いつもお宮を開けておければいいのだけれど、今のところそれはなかなか難しい。 

今日のように御祈禱があったり、お祭りがあったりする日に限られてしまいます。

 ほぼ二十日ぶりにお宮を開けて(ごめんなさい!) 扉を大きく開け放ち、お掃除がすっかり終わった、まさにその時にお参りにいらっしゃるなんて。 


常に神様に心を寄せて毎日を送っていると、心の波長が正しく整ってくると思います。

そして、神様に向かってすなおに開かれた心が、自然と行く道に調和をもたらすのだと思いました。

 顧みれば、自分にも過去に覚えがあることでした。 

最近の自分を大いに反省させられました。 


 

その2

天気予報では午後から雨

お参りの予定は11時からだけれど、早めに来られるといいなあと思っていたら、赤ちゃんのおばあちゃんから電話が来ました。 

「向こうのご両親が予定より早くいらしたので、10時頃うかがってもいいですか?」

 ああ、ここにも神様と波長が合っている人がいました。


ほどなく 若いご両親にお姉ちゃんと赤ちゃん、両方のおじいちゃんおばあちゃんが揃って、なごやかに石段を上ります。

 拝殿で初宮参りの祝詞がはじまりました。 

初めての場所と雰囲気の中でなんとなく不安なのか、赤ちゃんはお母さんに抱かれてちょっとむずかっています。 


ところが

祝詞の中で 「◯◯と名づけ給い…」と赤ちゃんの名前を奏上した時

「アイ」

 と、はっきりしたかわいい声で赤ちゃんがお返事をしたのです。


 それはまさに、お返事としかいいようのない間合いと発声でした。 

一瞬驚きましたが、すぐにあたたかなうれしさが胸にわき上がってきました。 

その後、赤ちゃんはすこぶるご機嫌で、なにかしきりにお話ししているようでした。 


御祈禱を終えて、お母さんに 

「◯◯くん、お返事しましたね」

 と言うと、ご両親もおじいちゃん、おばあちゃんも、うれしそうにうなずいて 

「ほんとですね」 

「◯◯くん、お返事したの」 

と口々に赤ちゃんに話しかけていました。 


初宮詣― 

生まれて初めて神様の前に来た赤ちゃんの魂は、なにを感じていたのでしょう。

 神様が嘉し給う大きな愛に包まれて、この西田の地で、安心して伸び伸びと育っていかれることをお祈りしています。


 その3 

今日の朝、お礼参りに見えたご夫婦と、初宮参りにいらしたご夫婦。 

同じ名字でした。

 うーん

鎮守の森にようこそ

神社や鎮守の森でおこった出来事、社務をとりながら考えたことなどをつづりました。  禰宜 雅子

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